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完成から8年。おじいちゃんの田舎暮らしの家 [  ・おじいちゃんの田舎暮らしの家]

今年の夏季休暇は、千葉県南房総市にあるおじいちゃんの田舎暮らしの家を訪れました。
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浜松から南房総市までは、アクアラインを経由して往復700km。
フォレ美の慣らし運転に丁度良い距離でした!

おじいちゃんの田舎暮らしの家は、2002年6月の入居ですから早いもので完成から8年
経過していました。
嫁さんと子供は2年ぶりですが、僕が訪れるのは実に4年ぶり。

僕が設計を担当した住宅の第1号だけに、この家には強い思い入れがあります。
それだけに、建物が当初の要求を満たしているか?また、悪いところはないか?と
気になります。

施主である義父母の夢実現のために一緒に生み出した建築です。
建てることが目的ではなく、新たな地での生活を支えるわけで、住まいとしての基本機能は
当然としてライフスタイルの実現を満たすものである必要があるわけです

 

住まい作りにおける本当の成功は、建った瞬間でも入居した瞬間でもなく、3年以上生活し、
その地、その家での生活が根付いたところで本当の意味で判断できることでしょう。

 

この家に携わることになった経緯は過去記事に書いた通りですが、
僕がこの家の設計にあたりイメージしたビジョンは、盆暮れに孫を連れて遊びに行った際、


義父母が笑顔で迎えてくれ、子供達も田舎暮らしを満喫できる住まい


でした。
そしてそのビジョンを達成するための戦術として、僕はこの家の存在をポジショニングしました。

 

それでこの家をうちの子供達がどう使ったかというと・・・


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■広縁でお茶会を始めた子供達(なんで?)

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長女のもてなしを受ける次女(年長さん)

左にある2本はバナナではなく、畑でとれたゴーヤです(笑)

 

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■文机で夏休みの宿題をこなす長女(小3)

この間、僕らは書類の整理をしたり、読み物などをすることができました♪

 

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その間に次女は居間で何かの創作作業に没頭していました(笑)

ダイニングテーブルとして使っているのは、森のアウトレットで確か7,000円程度で購入した
天竜杉の一枚板をレガシィで持ち込み、この家を作った大工さんに頼んで加工して
もらったものです。

 

建物自体は良い感じに味が出ていました。
外壁材は無塗装の杉羽目板を張っただけですが、8年経過してもまったく問題なさそう。
これは義父がOZONEで塗装の勉強をし、「無塗装で大丈夫だよ!」とこだわったところですが、
防火構造にする必要がない部位で、施主の理解が得られる場合であれば再度トライ
してみたいところです。

 

実際の生活を見ると、「ここはこうしても良かったなぁ~」と感じるところもありますが、
それも施主の要望を受けてプランしたものですから、当時はそういう解は導き出せなかったと
思います。


住まい作りはまだ来ない未来のシーンを、施主と設計者が如何にリアルに描けるか?
共有できるかに成功の鍵の大半を担っています。
これは1/100や1/50スケールの図面上での勝負に他なりません。

いかに想像力豊かにイメージを膨らませていけるかに掛かっているわけで、
この記事が少しでも参考になれば幸いです。


しばしの田舎暮らし(おじいちゃんの家) [  ・おじいちゃんの田舎暮らしの家]

夏休み前半は、家族全員で「おじいちゃんの田舎暮らしの家」へ行ってきました。
僕だけ先に戻ってきましたが、子供達はまだ田舎暮らしを満喫しています


広縁では、姉妹仲良くお勉強中(笑)

野菜の収穫を手伝ったり、海に泳ぎに行ったり、山に登ったりで長女は2日程興奮状態
でした。

おじいちゃんの家は、実に3年ぶりの訪問。
2年前の夏は妻が身重だったし、昨年はカフェの研究で都内をウロウロとしていましたからね
義父の家は、わずかとは言え(基本設計程度)はじめて住宅の計画に携わった案件。
やはり思い入れはあるし、後の経過が気になるところです。

幸いなことに雨漏り、ヒビ割れ等の問題も無く生活には支障が無いようで安心しました~~~

 

浜松に戻る前夜は、雷雨を伴う大雨

おじいちゃんの田舎暮らしの家は、傾斜地の上にあるため眺めはまぁ良いです。
お風呂の窓からは、豊かな木々を見て、ウグイスの声を聞きながら入浴できるんです。

夜は思いの他涼しく、寝苦しいことがありませんでした。
逆に、雨が降ったこの夜は肌寒いほど

食卓には、義父が丹精込めて育てた無農薬野菜が並びます。
中でも気に入ったのがコレ。

ゴーヤジュース!

グラス1杯の中に丸ごと2本新鮮ゴーヤが入っている。
そのままでは苦くて飲みにくいので、りんごジュースで割ってあります。
苦いことは苦いけど、飲めない味ではないし、どちらかと言うと美味しいんです。
あまりに気に入ったので、『健康ゴーヤジュース』として

「浜自カフェで、商品化しようかなー?」

などと考えていました。皆さん、1杯いかがですか(笑)


おじいちゃんの「田舎暮らしの家」(後編) [  ・おじいちゃんの田舎暮らしの家]


憧れの田舎暮らしで義父は、何を実現しかったのだろう?
義父は、田舎暮らしの家を「普段着の木綿の家」と表現していた。
建築予算は、1100万円。土地取得を入れた総費用は、2100万円。

コンセプトシートには必要と思われる、部屋、床面積、設備が詳細に書かれていた。

■本物の木の家
 ・24坪位の平屋建て。民家風。普段着の木綿の家。
 ・丈夫で手入れ不要の家。風が通る、国産のムク材が基本。バリアフリー。
 ・素材の素地をそのまま表した家。
■主要室
 ・リビング8畳
 ・和室6畳(床の間、押入)
 ・居間8畳(神棚、押入)
 ・キッチン6畳(勝手口、収納庫)
 ・納戸3畳(間口1間以上)
 ・トイレ1坪(手摺、引き戸、棚、地窓)
 ・玄関1坪以上(壁埋め込み収納、腰掛け、花置き台、引き戸)
■内外装仕上げ
 ・日本瓦葺き、良く乾燥した杉板張り、軒天は板張り、小屋裏換気
 ・板張り、漆喰塗り、障子

義父が何を求めているかは、これを見れば手に取るように判る。
終の住まいとして、足腰立たなくなるまで農作業をしながら、自分で育てた安全な野菜で
美味しいお酒を飲んで長閑に暮らしたかったのだろう。
単に、人間らしい生活をしたかったのだと思う。

家族を養うために働き、定年後こそは今までやりたかったことをする!

僕は質問した。
「部屋は3部屋も必要ですか?居間と寝室。もう一つは予備室ですよね?
 こんな辺鄙なところまで足を運んでくれる人なら、かなり親しい人ですよね?」
「そうだね。」
「そんな人が年間何日滞在しますか?一組せいぜい2泊ってところじゃないですか?
 それよりも、主役の自分達の部屋を充実させた方が良くないですか?
 大きな居間と飲んだれくれて寝る部屋があれば良いんじゃないですか?」
「うん。そうかもね。」


こう書くと、プランはとてもスムーズに決まったように思われるかもしれない。

計画地は山の麓で、結構な傾斜地にある(最初、現地を見た時は仰け反った!)
ところが義父は、全然気がついていなかったらしく、
眺めが良い所だなぁくらいにしか思っていなかったそうだ。(ヤレヤレ)

予算で見込まれている造成費用は100万円。
最小の土工事で済む配置計画と、形状を考えなければいけなかった。
(エイヤッ!で決めたので、それ程苦労はしていないけど・・・)

その他、水道本管の径が細く、水圧が確保できないため引き込みを拒否されたが、
不動産屋の重要事項説明違反を楯に訴え、事なきを得た。
(正直、冷や汗が出ました)


昨年、妻と二人の子供達が、夏休みを利用しておじいちゃんの家に滞在した。
海で泳いだり、野菜の収穫をしたりしたそうだが、とても楽しかったらしい。

入居後ほどなく、長女に「(浜自カフェの)新しい家はどう?」と尋ねたところ、
「この家、変!1階のコンクリート床が嫌なの!柱と梁、(漆喰の)壁は良いけど・・・
 おじいちゃんの家が一番好き!木の家が良いの!」 と言われちゃった。

人として、あんたが正しいよ!


おじいちゃんの「田舎暮らしの家」(前編) [  ・おじいちゃんの田舎暮らしの家]


長女が一番好きな住宅である、おじいちゃんの家
僕が建築士資格を取得して、最初に設計(基本計画+α)した住宅です。
義父は、定年を機に長年の夢だった「田舎暮らし」をするため、世田谷から千葉県の
富山町(現、南房総市)に移住することにした。

 

義母は、世田谷と千葉を行ったり来たり。。。

 

当初は、僕に設計を依頼するつもりなど毛頭もなかったのだが、まったくの建築の
素人が、(設計を得意としない)職人さんである大工さんと建てる家の結果が
容易に想像できたため、無理にお願いして設計をさせてもらうことにした。
(設計を依頼しようと思わなかったのは、設計報酬を支払えないと思ったからのようです)

 

僕としてはとてもお世話になった両親が、大きな夢を見て田舎暮らしを始めるのに、

 

「こんなはずじゃなかった!」

 

と思って欲しくなった。
これから産まれてくるはずの孫を連れて行くのに、「(子供達が)行きたくない!」
言われるのも困るから。

 

設計と言っても、やりようは色々あって、細々言わない施主であれば、基本計画
に毛が生えた程度の図面と必要最小限のチェックでも十分に満足が得られる
家にすることができると思っていた。

それ以前に、十分な施しを受けていたから、交通費などの実費だけいただいて、
「建築を楽しもう♪」と言う考えでやらせていただくつもりでした。


僕の強い押しに、義父は承諾を余儀なくされ、最初の現場調査に同行した。

 

義父は長年かけて暖めてきたコンセプトシートを僕に見せてくれました。

義父のライフスタイルは十分に判っていたし、僕も共感できるものだったので、
現場を見てから30分程で描いた最初のスケッチに、1つ2つの修正を加えただけで
プランは確定した。

ファサードのデザインは、大工さんの判断で変更が加えられたが、「まっ、良し!」とした。


コンセプトは、「田舎暮らしの小さな民家住宅
玄関土間は2坪どーんとダイナミックに取り、農家の土間をイメージした。
玄関ホールから、12畳の居間、そして6畳の畳の部屋へと続く、
大きなワンルーム空間を提案した。

 

木製の玄関引き戸を開けた時に、お客さんが驚くようにとしたかった訳だけど、
この意図は義父も一発で理解してくれたようだ(笑)

・・・長くなるので、後編につづく


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